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ソフト開発裏話 【 システム部 開発担当 HM 】 [製品・開発]

はじめまして。システム部 開発担当のHMです。実名を出そうか迷った挙句、やはりはじめはイニシャルで。なんだか恥ずかしいですから。そのうち、慣れてきたら実名で書くかもしれません。
システム部は一番お客様とお会いする機会の少ない部門です。ごくたまにサポート対応で電話に出ることもありますが、基本的には毎日ひたすらパソコンに向って黙々と製品のバージョンアップやら、カスタマイズやらに追われています。そして合間にちょこちょこと自社ホームページの更新なども行っています。
このように書くと隔絶された部門のように思いますが、見方を変えればソフトをお使いいただいているユーザー様や、ホームページをご覧になっていただいているお客様とは、ある意味どの部門よりもソフトを通じてお会いしていると言えるのかもしれません。
自分の更新の順番がまわって来、一体何を書こうかとずいぶん悩みました。仕事のこと?趣味のこと?日々の出来事について?などなど。でも結局仕事について書くことにします。

私はプログラマ(PG)ですが、場合によってはごくたまにシステムエンジニア(SE)の仕事も担当します。この会社に入社した当時、ソフト開発の経験はありましたが、栄養士さんのお仕事については全く知識がありませんでした。そんな私が入社して最初に作ったソフトが「栄養食事指導システム ダイエットプロ-E」です。栄養士の知識が無いのに作ることができるのか?と思われる方がいるかもしれません。それが出来るのです。PGの仕事とは、SEから「こういうものを作ってください。」と渡される仕様書を元に作るからです。もちろん栄養士の知識があるに越したことはないのですが、無くても仕様書次第で作ることが可能です。バレエダンサーの草刈民代さんが、映画「Shall We Dance」に出演した際、バレエしか経験の無い草刈さんがボールルームダンスが踊れるのかとインタビュアーに尋ねられたところ、「ボールルームダンスという振りを付けてもらえば踊れる。」というような意味を言ったそうですが、それに似たものがあります。栄養士の知識は無いけれど、プログラミングは分野に関わらず同じですから。
ソフト開発を他のものに例えるなら、建築が一番近いのではないでしょうか。ダイエットプロのカスタマイズの流れについて、家を建てるのを例に取り書いてみます。設計士をSEに、大工をPGの役割と思いながらお読みください。

建築(ソフト開発・カスタマイズ)は、まず設計士(SE)の仕事から始まります。基本となるモデルハウス(ダイエットプロ)があり、これを元に設計士はまずお客様(栄養士様)から要望を伺います。「基本案は独立式キッチンだけど、対面式に変えて欲しい。」とか「2階にもトイレをつけて欲しい。」とか。この時点でまず設計士の腕が試されます。家を建てる(カスタマイズ)のがはじめてのお客様は完成後の具体的なイメージを湧かせることが難しい。お客様の意見をそのまま採用することで、返って使い勝手が悪くなったりすることがあります。そこを設計士が「この場合、こちらの方がいいですよ。」など、今まで培ってきた経験を元にアドバイスし、建築後に起こりうる問題を設計の段階で回避させ、かつより使い勝手の良い案をご提案します。ここでつまずくと後々問題が大きくなり、完成後とんでもない家(プログラム)が建ったりしてしまいます。そしてもうひとつ重要なのが予算です。あくまでも基本形があるものなので、そこから大きく外れた要望はその分改装工事(プログラム変更)に時間も費用もかかります。そこをお客様の希望予算に合わせて、如何に要望と折り合いをつけることができるか。ここまでが第一段階です。

それが終われば、今度は聞き取った要望を元に、設計図(仕様書)の変更作業にかかります。
基本より、どこの部分がどう変わるのかをこと細かに書いていきます。それを見ればどういうものを作ればいいのか、一目瞭然になるものです。最初の方で経験が無くてもプログラムを組めると書いたのはこういう意味です。
しかし実際のところ、この作業は建築に携わる大工(PG)の技量により、大きく設計士の作業内容が変わります。例えば長い間一緒に仕事をしている大工や、経験の長い大工だと、ある程度のおおまかな設計図で、設計士が意図する家(プログラム)をちゃんと建ててくれます。しかしこれが経験の浅い大工や、あまり一緒に仕事をしたことのない大工だと、細かいところまで設計書で指示しなければいけません。ここをおろそかにしたり、大工の技量に合わない設計図にしてしまうと、実際に建てる段階でとんでもない事が起こってしまいます。

設計図の変更が終われば、次はいよいよ建築に取り掛かかります。ここからが大工の出番で、変更の規模によって通常1人~3人くらいで作業をします。2人以上で組む場合、大工の棟梁(PGリーダー)がおり、細かい部分の作業をチェックするのは棟梁の役目です。というのは大工それぞれのやり方があるため、スイッチをつける位置とか細かなところで食い違いが出てきます。部屋(画面)ごとにスイッチ(ボタン)の位置が違っていたりすると使いにくくてかないません。そういうところをチェックし、統一させます。設計図が一緒なら誰が建てても同じ家が出来上がると思われるかもしれませんが、実はここで大工の腕の差が大きく出るのです。設計図で完成後の姿はわかりますが、建てる過程の細かな説明はそこに書かれていません。どの順で柱を立て釘を打つか、全ては大工の判断で行われます。家は後々また改築(仕様変更)することがあります。子供(データ量)が増えたり、父母を引き取り2世帯住宅(新設病院の対応)にしたり。それを見越して、後の改築をしやすいように考えながら建てるのです。無駄な釘を使わず効果的に打つ(シンプルなプログラミング)とか、間仕切りを簡単に変えられる(可変的なプログラミング)ようにするとか。これは経験のある大工が見習い大工(新人)に仕込むものですが、自分で痛い目に遭わないとなかなか身につかない為、敢えて教えない場合もあります。そうして見習い大工は自分が建てた家を改築する時に、(ああ、どうしてこんなどんくさい作りをしたんだろう。ここをこう作っておけば楽だったのに。)などと、自分の未熟さをシミジミと噛み締めるのです。
建築が済んだ部分から設計士が設計図と食い違いがないかチェック(テスト)していきます。ここで食い違いがあると、また大変です。小さい違いならすぐに直せるのですが、大きな違いならせっかく建てた柱をもう一度壊して建て直したりしなければいけません。しかし実際のところそこまで大きな違いが出ることはまず、ありません。建築→チェックの作業を繰り返し、最後にめでたく完成です。

当社の場合を例にしたので、会社によって開発方法に多少の違いはありますが、大体はこんな具合です。少しでもソフト開発・カスタマイズの仕事がわかっていただけたでしょうか。
このようにソフト開発はSEとPGの連携プレーが必要で、どちらがかけてもプログラムはできません。そして技量が劣っていてもいい製品はできません。そのため、SEもPGも常に勉強が必要な職業です。ソフトウェア業界には「30歳定年説」というものがあります。ソフト開発の世界は技術の進歩があまりに速いため常に勉強をしなければいけないのですが、年齢を増すごとに吸収力が衰えるため、技術についていけなくなることから言われています。また残業や休日出勤があたりまえの厳しい労働環境なので、体力的についていけなくなるからという一説もあります。「スーツを着た肉体労働者」と開発者が自嘲気味に言った言葉もあります。
かくいう私もマッサージ師さん泣かせで、いつも驚かれるほど体は凝っているし、長時間座りっぱなしのために腰痛持ちという、なんとも情けない状態です。それでもこの仕事を続けているのは、自分の作ったソフトを使ってくださったお客様からの嬉しい声を聞けるからです。「ダイエットプロを使って、すいぶん仕事が楽になった。」「仕事が早くなったので、あまった時間を勉強に充てられるようになった。」等々。その声を聞くと、「次はもっといいものを作ろう、もっと喜んでもらえるものを作ろう。」と元気が出ます。
そうやって、ダイエットプロはお客様からの力を頂きつつ、みんなで作り上げられて来ました。これからも疲れた肉体にムチ打ちつつ(笑)、良い製品作りを目指してがんばります。
サポート対応の電話にイニシャルH(実は2名おりますが)が出たときは、心の中で(あのブログを書いた人なのね)と思いつつ、にやりとしてください。
では、硬く長い話を最後までお読みくださり、どうもありがとうございました。


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